はじめに
ボンデジ社よりHoudini関連書籍が三冊販売され、Houdiniブームの前兆を感じています。
#Houdini 始めるならこの3冊!
— ボーンデジタル出版事業部 (@bd_publishing) 2024年9月19日
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そんなブームに追いつくべく、Houdini学習を始めようと出版されたうちの一冊。
「挫折させないHoudiniドリル」を読了しましたので、感想などをつらつらと備忘録も兼ねて残しておきます。
読了した感想
How to ではなく「考え方を学べる」本
Houdiniというソフトウェアの特性もありますが、Tutorial的な「やり方」ではなく、成果物実現に向けた「考え方」を学べました。
この本の構成は以下の通りです。
目次 | コンテンツ名 | 構成割合 |
---|---|---|
第1章 | 事前準備 | 3% |
第2章 | 基本操作 | 72% |
第3章 | 考える(考え続ける訓練編) | 25% |
目次、本の外観だけをみると操作説明が大半を占めているように見えますが、
実際は基本操作編の中でも「なぜ、そのノードを利用するのか」が随所に散りばめられていました。
Houdiniの「楽しさ」は第三章に到達したものが味わえる
第1章、2章でHoudiniの取り扱い方法を学んでいき、第3章で実際に参考例をもとに作例制作を実施していきます。
通常の教本では「真似をして作って覚える」ことが前提となっていきますが、第3章は毛色が異なります。
それこそが「BADケース、GOODケース」です。
この本を読んでいくことでHoudiniは自らアプローチを模索し、操作性がよく破綻がしないフロー(いわゆるプロシージャル○○ってやつ)を模索していくことの美しさ、楽しさがわかります。
(第3章内のBADケース→GOODケースの記載箇所は筆者の筆が進んでいる気がしました。)
学習プロセスの最適化
この書籍は全体を通じて3つのプロセスで学習が進行していきます。
- 書籍
- 動画
- プロジェクトファイル
Houdiniを学ぶ上で無理に分かりづらく紙面上で説明するわけでなく、適材適所で適切な手法で解説が進みます。
そのほか、紙面上における文章の構成など「筆者の伝えたいことを詰め込む」ではなく「読んでいるユーザーに伝わる」を大事にしている書籍だと感じました。
問題点
ここまで書籍の良さを伝えてきましたが、不満点もありました。
とても些細なことなので箇条書きです。
- 配布されているプロジェクトファイル、動画の名称が「操作」名のため探すのが大変
- 第2章が膨大な中、本の小口がざっくりのため第2章に対するモチベーションが下がってしまう
- 第2章の構成上、各項目の繋がりがあるため難しいことは承知のうえで項目ごとの区切りがわかりづらい
問題点と目立つ名前で紹介しましたが、ちょっと気になるレベルの話です。
また、全ての項目において読了した後では「納得」できた箇所が多い問題点でした。
(学ぶ段階では壁となりましたが、乗り越えた後は全く気にならない)
おすすめの学習方法
冒頭に記載しましたが、「考え方を学べる」書籍でした。
そのうえで本書を読了するまでに以下のアプローチで接し読了しました。
- キリがいい部分までHoudiniを操作せずに読む
- そのうえで「読む」よりも「考える」方向で本を進める
- 本のわからない箇所は鉛筆で印をつける
- 実際に配布されているHoudiniプロジェクトファイルを操作して理解を深める
一番楽に本を進める方法は恐らく「最初から本と同時並行でHoudiniプロジェクトファイルを読み解く」だと思いますが、それをすると「考える」をしなくなってしまうため勿体ないと途中から気が付き、上記の方法で第二章の中盤(Attribute Wrangleについて)から読み進めました。
鉛筆でわからない箇所の印をつけることで「何がわからなかったか」を自身で把握し学習を進めていきました。
最後に
もっと感想があったはずなのですが、第2章中盤以降から本書の偉大さに気が付き、第2章終盤からメモ帳に感想を箇条書きで記載していたため本の後半部分に対する感想が増えてしまいました。
P222以降のVEXの説明など今まで怖くて逃げてきたHoudiniの要素に立ち向かい、完全和解とまではいかなくても相手を知ることはできたと感じています。
引き続きHoudiniの残り2冊も読了していきたいと思います。