Blender Lancherで導入したBlenderをほかのPCで使うときのはなし(主に環境設定の話)
たまたま話題になったので検証した結果を踏まえてメモする
一度すべて目を通してから作業されることをお勧めします。
※本記事を参考に行った動作について一切その責任を負いません。
- 環境
- 1.Blenderのインストールのお話
- 2.Blender LancherでインストールしたBlenderの動作のお話
- 3.実際にファイルを移動してみる(ポータブルインストール)
- 4.Blenderの新PCへの移行
- 6.さいごに
環境
OS:Windows10
1.Blenderのインストールのお話
Blenderのインストール方法は以下のとおりです。(もしかするとほかにもあるかも???)
・Installer
一番メジャーなインストール方法
インストーラーを使用し、インストールを行う。
スタートメニューに登録される他、blendファイルをBlenderと関連付ける。
管理者権限が必要
・Portable(.zip)
zipファイルを任意の場所に解凍して使用する。
インストーラー版と違い、スタートメニューに登録されないため解凍したフォルダの実行ファイルを実行する必要がある。
また、blendファイルの関連付けも必要。
管理者権限が必要
・Portable(PortableApps.com)
PortableApps.comにて公開されているもの。
何も設定をしなくてもフォルダごと移動すれば他の環境でも環境設定を活かすことができる。
使ってる人をあまり見かけない。
(設定次第では前述のPortable.zip版でも同様の動作ができる)
・MicrosoftStore
Microsoft Storeで公開されているBlender
使ったことがないので詳細がわからない
・Steam
Steamで公開されているBlender
使ったことがないので詳細がわからない
・Blender Lancher
Oleg Stepanov氏によって開発されているBlenderのランチャーツール。
詳細は事項
種類 | インストール方法 | 公開先 | 管理者権限 | スタートメニュー登録 | blendファイル関連付け | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|---|
Installer | インストーラーを使用 | https://www.blender.org | 必要 | 自動 | 自動 | 入門書にはこっちが紹介されていることが多い |
Portable(.zip) | zipファイルを任意の場所に解凍 | https://www.blender.org | 不要 | 手動 | 手動 | 各々の設定を手動で行う必要がある |
Portable(PortableApps) | zipファイルを任意の場所に解凍 | com/apps/graphics_pictures/blender_portable | 不要 | 手動 | 手動 | 各々の設定を手動で行う必要がある。フォルダをコピペするだけで移行ができる |
MicrosoftSore | MicrosoftSotreでインストール | MicrosoftStore | ??? | ??? | ??? | ??? |
Sream | Steamでインストール | Steam | ??? | ??? | ??? | ???? |
Blender Lancher | BlenderLancherを使用する | https://dotbow.github.io/Blender-Launcher/ | Lancher本体導入時必須 | 手動 | 手動 | Portable(zip)をBlender Lancherで指定した場所に保存 |
2.Blender LancherでインストールしたBlenderの動作のお話
前項で記載したとおり、Blender LancherでインストールしたBlenderはPortableのzip版になります。
よって、以下の内容はPotableのzip版環境の話になります。
何も設定を行っていないBlenderのため環境は以下の通りになっています。
LOCAL | Blender Lancherで指定したLibrary Folder→Ver名 |
USER | %USERPROFILE%\AppData\Roaming\Blender Foundation\Blender\Ver名\ |
SYSTEM | %USERPROFILE%\AppData\Roaming\Blender Foundation\Blender\Ver名\ |
つまり、実行されるBlenderファイルはBlender Lancherで指定したフォルダの内容(blender.exe)ですが、Blenderを動かすためのconfig(各種ユーザー設定)はCドライブのBlender Foundation内部のconfigファイルが参照されます。
ユーザー設定も含めてBlender Lancherで指定したフォルダに格納する
How to Make a Portable Installation | To keep all configuration files and installed add-ons in the executable folder, create a folder named config in the LOCAL directory of the unzipped folder. |
Installing on Windows — Blender Manual
上述のドキュメントにあるとおり、zip形式でインストールしたBlenderに対してCドライブに保存されているconfigファイル等を移動してあげることで"Portable(PortableApps)"と同じようにフォルダのコピペだけでBlenderの移動が行えるようになります。
3.実際にファイルを移動してみる(ポータブルインストール)
新PCにBlenderファイルを移動するにあたって環境設定を引き継ぐために下記の作業を行います。
※以下の作業はBlenderの環境設定に影響を及ぼします。
必ずバックアップを取るなど作業を間違ったとしてもリカバリーができるようにしましょう。
ローカルフォルダの場所
↓
この場合はDドライブ直下の「Blender_Files」がBlenderLancherで指定したインストール先になります。
インストール先から
種類(Stable、Daily、Experimental)→Branch名→Ver がローカルフォルダになります。
ユーザー、システムフォルダの場所
%USERPROFILE%\AppData\Roaming\Blender Foundation\Blender\Ver名
※一度もBlenderの環境設定を変更したことがない場合、BlenderFandationフォルダが生成されません。
移動する(移動する側のお話)
config
→Blenderプリファレンスの設定が入っています。
scripts
→ユーザーが追加したアドオンなどの情報が入っています。
上記2つのファイルをローカルフォルダに移動します。
移動する(移動される側のお話)
config
ユーザー、システムフォルダの場所にconfigファイルをそのまま移動します。
scripts
↓
ユーザー、システムフォルダ内の「scripts→ addons」にローカルフォルダ内のaddonsの内容をコピペします。
ユーザー、システムフォルダ
作業が完了しましたら該当するバージョンのフォルダを削除(もしくは移動)します。
これでBlender Lancherで指定したインストールフォルダを移動するだけで環境設定も含めた移動ができます。
4.Blenderの新PCへの移行
新PCへBlender LancherでインストールしたBlenderを移行する方法は以下の通りあります。
(新PCにもBlender Lancherが導入されていることが前提になります。)
(2).ポータブルインストール環境に変更したうえで、フォルダごと移動
Blender Lancherのインストールフォルダを設定のうえ
を参考にし、ポータブルインストール用のBlenderをローカルフォルダに格納する
Blender Lancher情報を更新する
kemarii.com
上記の記事にあるとおり、(1)、(2)どちらかの方法でフォルダの移動が終わりましたらBlender Lancherの更新をかけると項目が表示されるようになります。